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スポーツはそもそも日本では体育という役割で入ってきました。そのため、日本ではスポーツ=体育とみんなも考え、根性だとか辛いだとか汚いだとか、もしくは若い人のためだけにあるとか体のためのイメージで考えられています。つまり体育会系というイメージです。そのようなイメージでは子供を初めいろいろな人がスポーツを心から楽しむことができません。 体育とはPhysical Educationの訳です。本来Physical Educationとはただ単に体を鍛えることではなく、身体を使って行う活動で、人間としてeducation(成長)するためのすべての文化的な活動をいうと私は考えています。逆に、人間としての成長が伴っていなければPhysical Education=スポーツにならないのです。つまり、やるスポーツはもちろん見たり聞いたりするスポーツもあるはずです。そう考えれば、スポーツの素晴らしさを享受できるのは、すべての年代、老若男女であっていいはずです。 そこで、わたしはスポーツを以下のように考えています。 すなわち、『スポーツは医療である、芸術である、コミュニケーションである、教育である』と。 スポーツはわれわれすべての人に何かしらの健康を与えてくれる。心の健康、身体の健康である。すなわち、QOL(Quality Of Life)を向上させてくれるのである。ただし、その人にあったようにスポーツがコーディネートされたらの話ですが・・・。また、スポーツはコミュニケーションである。昨今、IT時代にあってスポーツは直接人間の五感を使ってコミュニケーションをかわさなくてはならいのです。アイコンタクトであったり、大声の返事であったり、ボディコンタクトであったりします。一方、スポーツがわれわれすべての人たちにコミュニケーションを生むのです。松井やイチローの活躍で多くの人たちにコミュニケーションが生まれることでしょう。スポーツこそバリアフリーということです。すべての壁を超えることのできる唯一のコミュニケーション手段なのです。 次にスポーツは芸術である。世界水泳でも日本中を沸せたシンクロナイズドスイミング。そのアーティスティックな要素は、見ているわれわれの心の琴線に深く触れます。なぜか涙がでそうになります。スポーツと芸術はどこか似ています。そう、それを表現する人(スポ−ツ選手や芸術家)の人生や人間性が伝わるのでしょう。感動があります。また、スポーツを通して人間は自己表現を学んでいくのでしょう。 そして最後にスポーツは教育である。もともと人間としての成長のないものをスポーツと私は呼びました。アメリカの応用スポーツ心理学ではスポーツで学ぶ人間力をライフスキルと読んでいます。スポーツこそライフスキルという人間力をすべての人に育つチャンスを与えてくれるという考え方です。このライフスキルは強化の面でも大事にされています。ライフスキルがしっかり育たなければ勝てないという考え方です。日本のスポーツにはまだまだこのような価値の認識がないのが残念でなりません。ぜひこのような価値をより多くのみなさんに享受していただきたいと思っています。もし、みなさんの中に医療性や芸術性やコミュニケーション性や教育性を感じていない方がいらっしゃったらそれはスポーツではありません! |
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