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スポーツの存在価値こそ人間成長にある、これこそスポーツの真髄といっても過言ではありません。 スポーツは社会の縮図です。社会で起こり得る問題はスポーツの中にさまざま存在します。だからこそスポーツを通して社会で生きるための考え方や生き方が学べるのです。この社会で生きるための力をアメリカの応用スポーツ心理学ではライフスキルと呼んでいます。 スポーツはなぜするのかといえば、このライフスキルが身に付くからと答えるほどに大切にされている概念です。教科書や机の上だけでは学び得ない生きるための力がスポーツでこそ手に入れることができるというものです。したがって、アメリカのゴルフやアメリカンフットボールの世界を中心に、このキーワードはスポーツの普及に大いに利用されています。それはスポーツがただ単にからだを鍛えるという体育の発想とは随分違うものです。 一方、ライフスキルはスポーツで勝つためにも必須のスキルであるとも考えられています。すなわち、スポーツをやる以上このライフスキルをスキルとしてトレーニングし自分のものとしていかなければ、試合などで結果をだせない、という考え方です。それは強化のキーワードにもなっているのです。つまり、人間的に成長しなければ試合では決して勝つことはできないという理論です。 試合などで起こりうるさまざまなことは練習だけでは対処不十分で、毎日の日常生活の中にこそ、それに類似したことが生じるので日々人間として成長していなければ結果はでないのです。日本では練習あるのみと考えられて、本番に弱い選手やチームが多かったのはこのライフスキルの育成に力を注いでこなかったためとも考えられます。 武道では昔から、強くなるためには自分を磨き道を極めろといったそうですが、この道こそがライフスキルなのです。つまり、ライフスキルとは自分の力を発揮し自分らしく生きるためのメンタルタフネスといえるでしょう。 以上のように、ライフスキルとはスポーツにおける普及と強化の両立をなし得る極めて重要な考え方だとわたしは考えています。とかく、普及は中途半端な甘い言葉で誘い、そして強化ともなると苦痛や忍耐をイメージさせる状況がいまだ日本のスポーツ界には存在しています。このライフスキルこそ、この両者を真正面から捉え、解決してくれるこれからの新しいキーワードに他ならないのではないでしょうか? 以前、御紹介した私の運営する理念共有型スポーツクラブ「エミネクロス・スポーツワールド」では子どものスポーツ塾ではこのライフスキルを学び育つ環境づくりに力を注ぎ、一方トップ選手たちはこのライフスキルをスポーツと日常の環境からトレーニングし子どもたちのロールモデル足らんことを追求しています。 そんな中スポーツ界にこのライフスキルが根付くことをスポーツドクターとして願っています。 次回はライフスキルとは何かということについてもっと触れてみたいと思います。お楽しみに。 |
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