◆◆ボディボードというと、特に目本ではレジャー感覚で楽しむスポーツという印象です。そのような環境の中でプロになるというのは大変そうですが。 |
私は中学1年で始めて、中学3年ころにはボディボードをずっとやっていこうと思っていました。でもそのときはそんなに重くは考えていなくて、ただ、一番になりたいという気持ちが強かった。アマチュアとプロの差というと、お金が入るかどうかぐらいしか最初はわからなくて。私の場合、遊びの延長で仕事になってしまったので、プロ意識を持つということがすごく難しかったです。
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◆◆では、どのようにして自分を高めていったのですか? |
なんかね、プロかそうじゃないか、ということではなくて、高校を卒業したあたりから、ただこれはもう遊びじゃないんだっていう風に思い始めて。それまでは何も考えず、ただ勝ちたいという気持ちだけだったけど、少しずつ白分自身しっかりしたいなって思ったんですよ。そうしたら、どんどん欲が出てきたんです。世界に向かうためにはどうしたらいいかって、練習内容を考えるようになったし、本もよく読むようになった。(欲を満たすために)頭をよく使うようになりましたね。そうしたらいろんなものを吸収できるようになって、少しずつプロ意識も強くなった。結局、(ボディボードの)歴史が浅いから、自己流で経験を生かして行くしかないなと思って。 |
◆◆レベルアップしたいときに、自己流というのも不安だったのでは? |
そう!だから(他のスポーツが)すごくうらやましい!
他のスポーツはうまくなるために先輩やコーチが指導してくれたり、ヒントを与えてくれるじゃないですか。そういうのがあれば、私はもっとうまくなれるんじゃないかって、一時期すごくそういう人が欲しいと思ったことがありました。じゃあ、どうすればいいんだろうと考えて、スポーツ選手をマネジメントするような人に相談しようとかも思ったけど、私はまだそこまで稼いでいるわけじゃない。それに実際ボディボードを理解している人もなかなかいないから、もし誰かいてもその人を自分が信用できるか、というのもありました。で、緒局自分で頑張るしかないって結果になっちゃったんです
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◆◆具体的にはどのようなことをやってきたのですか? |
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少しでも自分にプラスになると思ったことはすぐやり始めました。水泳はもちろん、マシントレーニング、ヨガ、メンタルトレーニング。それは自己流だけど、すごく楽しかった。吸収していっているときに新しい発見が次々出てきて。私は今まですごくつらい思いってしたことがなんですよ。きっとトレーニング内容も適当だと思うし。でも、それでいいと思った。いかに続けるかだと思ったから。世界一になるためだったらちょっと足りないかもしれないけど、今までの自分にはそれしかできなかった。 |
◆◆でも目標は世界一になること。これからは? |
いま、自分に何ができないかわかっているんだけど、それを克服できない自分がある。精神的にまだまだ弱いんです。だから、精神面を強くすることが近道だと思ってる。そうすれば、自信がついて、さらにやる気が出てきてできるようになると思う。今まではね、メンタルトレーニングの本しか読んでなかったんですよ。これは自分にとって良い本で、試合まで読み続けているとそれが結果になっていた。
でもこれ以上の自分になるには本だけじゃダメだと思ったんです。それでスポーツドクターでメンタルトレーニングをサポートしている辻秀一さんという人にお会いして。私にぴったしなんですよ。話をするだけですごくワクワクして頑張る気持ちになれる。これから辻さんとどんどん会って、自分が強くなるのがすごく楽しみなんです |
◆つらい思いをしたことがないといっていましたが、では辞めようと思ったことはない? |
ない。ほんとに楽しんでやってきてるから。こんなんで勝っていいのかってときどき思うこともあるけど(笑い)。冗談で、仲間に「たまには勝たせてよー」なんて言われるけど、でも、試合だけは譲れないんだ。私は試合になると人が変わったように「絶対優勝!」ってめらめら燃えてくる。パーフェクトじゃないとイヤなの。普段は普通の女の子なんだけど(笑い)。そのくらい試合は集中します。 |
◆◆試合はどういうもの? |
自分を表現できる場所。自分はこういう風にできるというのを演技で見せるのがすごく好き。それで注目してくれるとさらに興奮する。目立ちたがり屋のところがあると思うんですけど、普段にない負けず嫌いがでちゃったり、ものすごく一生懸命になりますね。いろんな刺激があるし、吸収することも多い。いろんな人にも出会えるし、すごく面白い。勉強になりますよ。 |
◆◆ボディボードを始めたきっかけは、たまたま旅行先で元プロサーファーのお父様にこれで遊べと渡されたとか。環境に恵まれてきたという気持ちはある? |
周りの人にも環境がいいねってよく言われていたんだけど、最初の1,2年は当たり前のようにボディボードをしていて、何が環境がいいのって思っていたんです。でも、ふとしたときに「なんで私こんなに幸せなんだろう」って思っちゃったんですよ。そうしたらすごい感謝の気持ちが出てきて。それで応援してくれる親に満足してもらえるように必ずトップになって稼いで結果を出そうと思ったし、ボディボードをみんなに広めていきたいって思ったの。そう思ってから、すごく頑張るようになった。 |
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◆◆ボディボードを知らない人にどうおすすめしますか? |
自然と一体になれて、すごくリラックスできる。波に巻かれるのは大変なことだけど。海に入ると疲れもとれるし、塩水って体にとてもいいのね。アトピーも良くなるし。ヒップアップもできるし、背中のいらないお肉もなくなっちゃうから、女の人にはすごくおすすめ。波に乗るときのスピード、風に触れる瞬間、ジェットコースターに乗ってる気分ですごく面白い。ぜひ一度体験して欲しい。私は海に入ると自分がすごく女性らしくいられるの。試合以外は(笑い)。もちろん、水着きてるからなおさらなんだけど(笑い)。それがすごく気持ちいいかな。 |
◆◆海はどんな存在? |
どんな自分でも受け入れてくれる場所かな。私がどんなに悲しんでいても、怒っていても海は私を受け入れてくれる。落ち着く自分の居場所。大会やツアーでいろんな海に行くのだけど、いろんな景色や波、いろんな人に会えるでしょ。タカラモノだと思う。イルカが現れて一緒に波乗りしたり、鯨が沖に見えたり、夕日の色が違ったり、空や海の色が違ったり。すごく幸せを感じる。 |
◆◆葵さんにとってボディボードはどんなもの? |
第二の親みたいな感じ。自分をどんどん変えてくれたから。たまにチューしちゃうくらい大好き。 |
◆◆夢はなんですか? |
界一になることと、幸せな結婚と、人生の成功。 |
◆◆人生の成功って? |
無駄のない一日一日を過ごして、自分がずっと幸せだと感じられるように今を大事にしていきたいと思ってる。それでどんな状況であろうと、自分が成功したと思うようになりたい。 |