●ロッククライマー 若月和美選手
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○クライミングの紹介 最近、日本で知名度が高まってきた、わたしの大好きな「スポーツクライミング」を紹介する。これは、ハーケンなどを使うアルパインクライミングとは異なり、とても安全なスポーツである。 スポーツクライミングは、登るラインにそって、岩に何本かの金属のフックがあらかじめ設置してある。それに、自分の腰に結びつけたロープを引っかけながら、身体の力だけで登っていく。終了点につく前に落ちても、途中のフックにロープがかかっているので、下まで落ちないようになっている。クライミングの面白さは、子どものころ遊んだ木登りやがけ登りと同じである。あれがおもしろかった人は絶対向いていると思う。高いところが怖いからできないという人もいるが、あまり関係はない。なぜなら、登るときは上しか見ないから。また太っているからとか、腕に力がないからという人も多いが、どんな人でも楽しめるので、ぜひ1回はやってみてほしいと思う。わたしは登っているとき、身体の奥からおもしろさが湧き上がってくるように感じる。登る前はワクワクするし、登れなくて途中でぶらさがっても、思わず笑顔になってしまう。登れればもちろんすごく嬉しいけど。 ○辻先生のところに導かれる わたしは仕事をしながらクライミングをしているので、大会にでるためには、休暇をとる必要があった。職場の人に「がんばってね」と温かく送り出してもらいたいと思って、人一倍仕事をしたし、和やかな人間関係で仕事ができるように、周りの人に気を使った。加えて、仕事の前や後にトレーニングをすることになり、1999年は生活の忙しさと、職場の人間関係で、息切れしそうな思いをしていた。辻先生の言われる「心の回復」がされないまま、なんとかふんばって仏の大会を目指していた。2000年の夏、その大会が中止になり、かわりにエントリーしていた大会で思いがけず14位になることができた。なんとかがんばれたという安心感もあったのか、本当に出たい大会がなくなってがっかりしたのか、そのあと急に食欲がコントロールできなくなり、買い食いで一晩中寝つけなかったり、気持ち悪くなってもどすまで、食べたりするなど、自分の行動に異常を感じ始めた。すっかり困ってしまい、それまでいつもサポートしていただいていた、横浜市スポーツ医科学センターの石毛さんに「食事がうまくいきません」と相談したところ、辻先生を紹介していただいた。石毛さんには失恋したときにも支えていただいたことがあって、本当に困ったときいつも助けて下さるので感謝している。 ○辻先生は人生の伴走者 辻先生と話していく中で、自分の考えを改めて知った。いつの間にか忘れてしまった考え方を思い出させてもらったり、新しいアイディアをもらったりした。本当に良いことをいっぱい教えてもらい、気づかせてもらった。このようにわたしは辻先生のもとに導かれていき、通っていくうちに、心が元気になったなぁ、と感じられるようになってきた。一人で心の回復はとても難しい。身体の回復も心の回復も周りの人の助けというものが大切で、決して一人で得られるものではないと思う。そういうふうに考えられるようになってきたころ、ちょうど辻先生に「僕は君の人生の伴走者だと思っている」と言われて、この言葉がわたしの心を明るく照らしてくれた。わたしは無信仰だが、何かの力が石毛さんのもとに導いてくれ、そして辻先生へと導いてくれたんだと思う。 |
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